特定技能外国人を受け入れる場合、文化・宗教・習慣の違いに対する不安はよくあるものです。
ミャンマー人・フィリピン人・インドネシア人に関してよくある不安と、実際の解決事例を紹介します。
ミャンマー人
- 不安点:目の前で、生き物(魚なども)をさばくことに抵抗がある。
- 物静かで控えめなため、自分から意見を言わない傾向がある。
◎解決事例
- 命に関わる処置が業務上必要な場合は、事前に宗教的背景を理解した上で役割分担を調整。他のスタッフが担うなど、配慮のある体制に。
- ミャンマー人向けに業務マニュアルを多言語で作成。さらに月1回の個別面談で不安や困りごとを丁寧に聞き取り、信頼関係を築いた。
フィリピン人
- カトリック信仰の人は、日曜日の礼拝への参加を重視する人もいる。
- 明るく社交的な方が多く、勤務中に鼻歌なども。
- 何かミスをした際に、舌打ちする習慣がある。
◎解決事例
- シフトを調整して日曜の午前中は礼拝時間を確保。他の職員との交代制にすることでスムーズに対応。
- 本人に勤務中の鼻歌は好ましくないことを伝えることで解決。ロールプレイを取り入れることで、日本的な気遣いや場面対応を実践的に学べた。
- ミスをする自分に対するもどかしさから舌打ちする人が多いようです。日本では相手に対するいらだちを表明する意味があることを説明することで癖が治るようになった。
インドネシア人
- イスラム教徒が多く、豚肉・アルコールを避ける食習慣や礼拝の時間への配慮が必要。
- ラマダン(断食月)の期間中は、体力面への影響を心配する声も。
◎解決事例
- 食事は本人が用意するか、宗教に配慮したメニューの選択ができるように食堂で対応。
- 礼拝スペースの確保や時間の調整(5分程度)を認めることで、信仰への配慮と勤務の両立を実現。
ラマダン時は事前に体調管理計画を立て、無理をしない範囲で勤務内容を調整。
全体的な対応のコツ
宗教・文化への理解を深める職員向け研修を実施
(簡単な説明や体験会など)
- 通訳者やサポーター(登録支援機関等)との連携により、外国人、受け入れ側双方の誤解を防ぐ。
- お互いの文化を尊重する雰囲気作り(例:文化交流イベント)で関係が良好になることが多い。

